【二子玉川店】お客様誂え靴
皆様こんにちは。
二子玉川店の可知です。
2020年も今日を入れて後4日となりました。
今回は今年最後の誂え靴紹介ブログとなるかと思います。
素晴らしい一足が出来上がりましたのでお客様の了承を得て皆様にもご覧頂きたいと思います。
お作り頂いたのは匠の技が光るこちらのモデル!
モデル名は勘之介(かんのすけ)
ラストR309のユーチップデザインです。
お客様が初めてご来店頂いた時はこの上記のモデル勘之介ではなく、他のデザインでご注文をお考えでいらっしゃいました。
店頭で色々なモデルを見て頂き、その中でも高い技術を持った職人しか縫う事が出来ないスキンステッチと言う匠の技に惹かれてこの勘之介のご注文に至りました。
店頭にはこのスキンステッチの縫い途中の見本が置いてあります。
ユーチップのデザインのパーツを手縫いで縫い繋げて縫製していくのですが、次の写真で更に詳しく解説致します。
革の表面から革の断面の中間に穴を開け、その中に糸を通して縫製していきます。薄い革の中に糸を通す事は穴を開ける時の力加減や位置が少しでも狂うと革が裂けてしまう為、文字通り一発勝負の仕事です。
これを片足で50数回繰り返し、両足で100以上繊細な穴開けを行う事になります。
それがどれ程大変な事か少しでも想像して頂けると幸いです。
更につま先にももう一つのスキンステッチが隠れています。
こちらは裏から革に穴を開け表には貫通させず、また裏の表面に出すスキンステッチの技法です。
こうする事で表面に糸目の模様が浮かび上がりデザインとしての表情も現れます。
お客様はこの匠の技に惚れ込んで、勘之介をご注文下さいました。
その勘之介をお履きいただいた所を。
これから勘之介がお客様と共に長く歩んで頂ける事を願って今回は締めくくりたいと思います。
お客様にはご注文、掲載の許可をいただき改めてお礼申し上げます。
また磨きや修理でこちらに返って来る日を楽しみ待ちたいと思います。