【二子玉川店】プレステージラインに思いを馳せて...
皆様こんにちは。
二子玉川店の可知です。
初めに今回のブログは少し長くなりますのでどうか最後までお付き合いの程、宜しくお願い致します。
三陽山長のホームページ、三陽山長日本橋高島屋S.C店のブログ等でも登場している三陽山長の誕生20周年を飾るに相応しいプレステージモデルの事に付いて、今回は書かせていただきます。
ご愛顧下さる皆様のお陰で三陽山長も20年目を迎える事が出来ました。
その節目に相応しいモデルを形にしたいと山長インスタライブなどでもお馴染み、三陽山長企画の濱田も常々考えておりました。
これまで通常ラインよりも手仕事の入った『極み』『匠』等のシリーズも展開していますが、そのどれとも違う更に最高の一足をと考えた時に、必要な物として使用する革の事がまず先に浮かびました。
勿論今現在使用している革も大変素晴らしいのですが、世界最高峰の革は一部の海外ブランドや、ビスポークブランド等に周り、日本には中々入って来ない事が多いのも周知の事実です。
この難しい課題の『世界最高峰の革』を探す事を初めにスタートし、今から2年前2019年冬の国内の革の展示会では最大級の浅草のレザーフェアに企画の濱田と足を運びました。
いくつものブースを周り海外のタンナーをチェックする中で、一際目を奪われたのがこのプレステージで使用している革のタンナー、HAAS(アース)でした。
HAASとは1842年創業でフランスアルザス地方に
居を構える世界最高峰の革を作り続ける老舗のタンナーです。
名前は出せませんが誰もが知るフランス高級ブランド等に革を供給している事でも有名です。
HAASのあるフランスのアルザス地方はドイツとの国境にあり、美しい自然に恵まれワインやお菓子が非常に有名で、あのピエールエルメ氏もアルザス出身との事。美しい自然と街並みが芸術的感性を育んだのかもしれませんね。
話を戻しますが、このHAASのブースにいたフランス人の方に素晴らしい革ですね、と通訳さんを介して話かけた事がはじまりになります。
HAASの事はこの時既に知識としては多少ありましたが、国内で安定的に流通しておらず非常に入手困難なタンナーのひとつです。
革の価格もさる事ながら、HAASは今も昔と変わらず大量生産せず、自分達が納得する良い原皮が入手出来なければ革を作らない所も一貫して貫いています。
その為容易には新規に取引き出来るタンナーではありません。
こちらで黒の最高の革を探していると伝えると、
HAASのフランス人の方はとても気さくな方で、うちの一推しはコレだ!とお勧めしてくれた革がありました。他のブースも見なければならずその革の詳細を聞いてこの時はこれで帰宅したのですが、やはりあの時の革が忘れられず、やはり使うならHAASが良いと決まり、正式にHAASに依頼をする事になりました。
しかし、前述の通り厳選した革を本当に選別して作っている為、直ぐには作っていただけませんでしたが、時間をかけてようやく三陽山長用に作って頂くことが出来ました。
2019年の秋冬から約一年後に遂にHAASの革が到着しました。
その間、世界的にも新型コロナウイルス感染拡大もありフランスの生産状況も大変だったと聞き、HAASの方達には感謝をしています。
そしてその黒の革がこちらです!
靴にした状態で見ると表面に僅かに波打つシボ模様が特徴のボックスカーフで光が当たると美しく反射します。
柔らかく厚みもありながら革の張りが素晴らしく、縫製したステッチを更に美しく見せてしまう程の革質です。
この素晴らしい革を手に入れてもまだ満足はしていません。
素晴らしい表面の革には素晴らしい裏革、ライニングが必要です。
そうです、このライニングもHAASの革を使用しています。
足を包み込むライニングの革も最高峰の革で、使い込む程に汗を吸い柔らかくなり深みのある色に変わっていきます。
ここまでで既に最高の組み合わせの靴ですが、そこは20周年...後一押し必要です。
そのもう一押しはソールになります。
レザーソールに使われているレザーはドイツの
1645年創業Martin(マルティン)のオークバーグソールです。
このオークバーグソールは18ヶ月以上も樫の樹液に浸し、徐々に液の濃度を深くして何回も漬けては出し漬けては出しと繰り返して、堅牢な革にしていく手間のかかる製法で作られています。
可知が使用してみた感じですが、このMartinの
ソールはアスファルトの路面でもしっかり引っかかって滑り難い感じで歩く事が出来ました。
硬さはあるので少し馴染むのに時間はかかりますが、
今回のプレステージモデルに取り入れている、フレキシブルグッドイヤー製法の返りの良さも手伝って、履く方の負担は和らぐかと思います。
この最高の素材たちを形にしたのは三陽山長の靴を製作しているお馴染みのセントラル靴の職人です。
高い技術を持つセントラル靴の職人達が、フランス、ドイツの最高の素材を活かして作り上げたのが、下記の3モデルです。
サイズ展開は3モデルとも24.5㎝〜27㎝
価格は130,000円+税
友二郎、勇一郎、源四郎と言う三陽山長の定番モデル達が特別な一足として新たに生み出されました。
多くの方に手に取っていただきたいと思っておりますがHAASの革の生産上、靴として沢山はお作りする事は出来ませんでした。
明日3月10日発売となりますが一部のモデルとサイズで入荷が遅れております。
入荷遅れの分が入りましたら、またブログでお知らせさせていただきます。
気になられた方はお早めにチェックをお願い致します。
ご不明な点などございましたらお気軽にご相談下さいませ。
ここまでお読み頂きありがとうございます。
それではまた次のブログにて。