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【二子玉川店】Vol.1「かかとが動く」

皆さまこんにちは。
二子玉川店の名古です。

今月で三陽山長に来てから2年と2ヶ月が経ちました。
長いようで短く、自分にとっては一瞬の出来事で、その前は靴の知識や経験も無く、何も知らないただの学生でした。
お恥ずかしながらグッドイヤーウェルトという言葉さえ知りませんでした。


そのまっさらな状態から、店頭での接客や調整、周りの方からのアドバイスを頂き様々な経験をしてまいりました。今現在までに学んだことをこのブログで上げていこうと思います!

いつもとは趣向を変えていますが、お付き合いいただけたらと思います。


記念すべき第一回目は、
「かかとが動く」

多分、皆さん一度は経験があると思いますが、新品の革靴を履いた時にかかとが上下に動く感覚を感じたことはないでしょうか。もしくは、買った当初はぴったりだったけど、履いていたらかかと周りが緩くて動いてしまうという様にかかとが動く原因としては、いくつか理由があります。


・ソールが硬い

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まだ新品のレザーソールの場合、馴染みが出ておらず硬い状態です。その場合、図(汚くてすみません...)の赤丸の部分が返りと呼ばれる部分がちゃんと曲がらず、かかとについてこないのでかかとが上下に動いてしまいます。
少しだけかかとが動く場合、ソールの硬さが原因なことが多いので、履き馴染んでいくうちにソールが柔らかくなり自然とかかとについてくることが多いのでこの場合はあまり心配せずそのままお履きいただいて問題ありません!


・かかと周りがゆるい

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試着時にかかとが緩く感じてしまう原因としては、かかとの大きさが合っていないということです。

靴のかかとの大きさに対してそれよりかかとが小さいとちゃんとかかと周りを抑えてホールドすることができません。
もし、ラウンドトゥR2010ラストのE(通常の仕様)でかかと周りが緩いと感じる方は、R2010ラストのD(全体的に細身のラスト)、もしくはスクエアトゥR309ラストのE(通常の仕様)がおすすめです。ともに細身のラストでかかと周りを内側に絞っているのでかかとが小さい方はこれらのラストがおすすめです。

R2010ラストのDの場合は既製品でご用意がないのでオーダーという形になります。
オーダーというと高いイメージがありますが、この場合は定価のお値段に+5500円(税込)でご注文いただけます!
一からお作りするので納期は2ヶ月ほどいただく形にはなりますが、足に合っていない靴だと余計に疲れてしまったり、足にも影響が出てしまうので足に合ったラストでお履きいただくのがやはりおすすめです。


・甲で抑えられていない

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上の図のように靴の甲と足の間に余りがあると、羽根が閉まり、甲できちんと抑えることができないので靴の中で足が遊んでしまいます。

対処として
足の下から足を持ち上げて、甲の余りを解消していきます!

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山長のドレスシューズのかかと下の基本的な仕様としては、上の写真のように半敷きにオレンジのスポンジが1枚の仕様となっています。

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この厚みのあるスポンジは、かかと部分までの長さとなっているのでこれを上の図の左側のように足踏まずまで伸ばしてあげることで甲の下の足踏まずからしっかりと持ち上げて甲で抑えることができ、足を固定することができます。


余りが多い場合は、市販のタンパッドという商品を使います。

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主にローファーでよく使われるもので、写真の様にベロ裏に貼り付けることで甲の余りを解消してくれます。甲の余りを解消することで甲を紐でしっかりと抑えることができるので、その分足が全体的に後方へ移動し、かかとと甲でがっちりと足を固定することでかかとの動きはなくなります。


・全体的にゆるさがある場合

グッドイヤーウェルト製法のものだと、革が馴染み、コルクが沈むとサイズが少し甘くなることがあります。なので最初のサイズ感としては、少しキツいぐらいがおすすめではありますが、もし履き馴染んで靴の中で全体的に少しゆとりが出ると、足をしっかりと固定できず、かかとが浮いてしまう場合があります。

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その時は上の写真(汚くてすみません...)のようにつま先からかかとまでのインソールで全体的なゆとりを解消していきます。

そうすることでかかと周りや甲の余りや幅等、全体的にゆとりを解消できるので、ゆるさがなくなりしっかりとかかとを固定することができます。


今回は「かかとが動く」際の調整方法を書かせていただきましたが、状況に応じて方法は変わっていきます!
もし、履いている靴で気になるという方がいらっしゃいましたらご相談いただければと思います。




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担当 可知・佐々木・名古


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