匠 勘三郎 TAKUMI KANZABURO

装いのカジュアル化が足元まで波及する昨今、
パターンメイドで人気を集めるレザーにも傾向の変化が見られます。
一昔前までなら、カジュアルなレザーシューズの筆頭格といえばスエード。
しかし昨今は、型押しやシュリンク加工によって
表面に凹凸をつけたシボ革の支持が高まっています。
こちらの誂靴で採用したのは、英国屈指の伝統を誇る老舗タンナー、
J.ベイカー社が手がけた「ヴォリンカ」レザー。
20世紀初頭にその製法が失伝した幻の革、ロシアンカーフを
徹底的に研究し、現代に甦らせたという折り紙つきの素材です。
最大の特徴は、ヴィンテージテイストが色濃く漂う菱形のシボ。
凹凸がくっきりした力強い風合いが、柔和・軽快なスエードとは
ひと味違うカジュアル感を演出してくれます。
現在、三陽山長では「ヴォリンカ」だけでなく、多彩なシボ革をご用意。
表情の差を吟味しながらオーダーを楽しむのも一興です。